可能性の問い(CODE46)

category映画ネタ — S.S a.k.a fukigen @ 2007/3/21 19:47

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 この映画がサイエンスフィクションであるかというと否で、その意味では監督の感性とユマ・サーマンのあの顔と、マイケル・ナイマンの音楽で成り立っている名作『ガタカ』が否であることと同じだと思う。SFってのはその当時に諸説となっているサイエンスの裏付けが必要であり、そういったトリックでのストーリーテイリングにより作劇する、またはそれにより新世界を示唆するもので、いうなればサスペンスもののより理屈っぽいものだと思う。でこれはジャンルの批判ではない。
 この『コード46』、そして例にだした『ガタカ』がSFとどう違うかというとつまり、ちょっとサイエンスの理屈を借り、そこに人間を当てはめて振る舞わせたところに、たとえば一般的な日常からは浮き彫りにすることの難しい人間のより深い部分を描こう、というところにある。それともう一つ。現在の世界ではない、という定立によって、制作者の美的感覚によりより自由度の高い映像が試みられるということ。そしてこの二作についていえば、ともにSFX、ならびにVFXを極力用いていないという共通点もうかがえる。 (more…)


善悪の故郷(ローズ・イン・タイドランド)

category映画ネタ — S.S a.k.a fukigen @ 2007/1/30 12:31

070128a  昨年劇場で観た近年まれにみる良作ホラー、『サイレントヒル』で好演してた子役、ジョデル・フェルランドを検索にかけたことでこの映画の存在を知った。監督がテリー・ギリアムということでDVD発売への期待感が高まった。テリー監督の信用買い、ってことで、一度も観ないうちにAmazonnで予約しといた。
 結果、ここ数年で私が観た映画作品のなかで、最優秀作品賞となったのだった。DVDを手にしてからすぐに二回観た。手放しで絶賛できる作品なんてそうはないので、私のDVD所有欲を、いまはかなり満たしてくれている。
 テリー・ギリアムの前作、『ブラザーズ・グリム』からの系譜ともいえる、ファンタジー色がテイストになった作品である。けれど汲み取ってるものの深さがまるで違うのだ。メタドンの中毒発作で、主人公ローズの母がオープニング早々にして死んでしまうことから始まるこの物語、不思議な浮遊間をもちながら展開してゆくものの、その細部まで辻褄(作品の世界観のなかで)というものがキッチリと決まっているのも素晴らしい。 (more…)


衝動買いなのさ(xbox 360)

category物欲の岸辺, ホビーとか — S.S a.k.a fukigen @ 2007/1/7 13:45

070107 購入にいたる前日の思いつきで買ってしまいますよ。ホントこんな感じで私という人間は、ホイホイと生きてます。なんで欲しくなったかというと北米版『デッドライジング』がやりたくなったから。あとはこないだ組んだサラウンド、5.1chドルビーデジタルの爆音でゲームやりたかったってのもある。オプティカルケーブルも即買いです。ゲームはコツコツじゃーなく、瞬間の爽快感につきる。
 世間はPS3とか任天堂のなんとかってので次世代ゲームがどうのって言われてるらしいけど、PS2を購入直後に下取りにだして以来ゲームとは無縁だった私には、よく解らんです。数日遊んでみた印象としては、ヤマダデンキでデモやってたPS3より、xbox360の方が画像が凄いような気がする。PS3は仕様がいつまでもハッキリしなかった分、ソフトの開発が遅れてる、ってのが
あるらしいんだけど。
 Amazonnのレビューなんかではドライブや冷却ファンの作動音が指摘されてるけど、爆音でやってる私にはあまり関係ない。でも確かにポーズかけると、音が大きいというのは解る。アパートなんかの人にはちょっとキツイかもしれない。
 ワイヤレスコントローラーで本体の電源が入るのが、個人的に嬉しい。マイクロソフトの製品ということでWindowsとつないでなんだか姑息なこと(実はまだ理解してない)ができるらしいんだけど、それはメンドウだからやらないっぽい。ともかく気紛れにアクションゲーム中心に遊んでゆこうと思う。面白かったらソフトはこのブログでどんどん記事にしてゆくので、乞うご期待です。というのはまったくの嘘。


久々のヴェンダース(LAND OF PLENTY)

category映画ネタ — S.S a.k.a fukigen @ 2006/12/24 11:48

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 DVDのセールコーナーでなんだか雰囲気の良いジャケを目にこれを手に取ってみたところこれがなんと久々のヴィム・ヴェンダース、ということで内容もよく知らずに信用買い、LAND OF PLENTYなのです。
 物語はあの同時多発テロ、トレードセンタービルのことなんかが絡んでいるけど、そこにはまるでメッセージ性がなく、単に主人公の行動原理として嵌め込まれているだけの感じ。テロを警戒し自警を行うこの帰還兵ポールと、イスラエルで育った彼の妹の娘であるラナとの絡みがこの映画の本体。ラナも発展途上国側の視点としてはあまり機能していないようで、監督自身そういったことはメタファーという位置づけにもしていないように思える。
 帰還兵と少女の絡みというと、スコセッシとデニーロ、そしてJ・フォスターというのが真っ先に思い浮かぶ。けれどこの映画はそれほどシビアな作品ではないし、全編をとおして感じられる優しい眼差しは、まさにベルリン・天使の詩の監督のそれであると感じられる。前作ミリオンダラーホテルの独自的な世界ともまた違う。もっと身近で肌触りの感じられるロードムービーといった感じだ。
 要約すると、なんだか良い感じのこのジャケットのままの映画といった感じ。カメラの使い方も綺麗だし、場面ごとの、登場人物の衣装と背景色のバランスなんかまでよく手が回っているという印象を受ける。ラナ役のミシェル・ウイリアムズの、控えめな、目で語る演技も好感触。タイトルになっている THE LAND OF PLENTYという曲も、監督がこの曲から映画をイメージしたという経緯に頷けるといったところ。
 けれどDVDジャケットの裏に書かれている、

巨匠ヴィム・ヴェンダース、『パリ、テキサス』以来の最高傑作!

というのはどうもいただけない。あの作品の高みまでは到底達していないという感じだ。
 まあ、購入について後悔している訳でもない。ストーリーやメッセージ性の高い作品よりも、むしろこういった雰囲気のある映画の方が再生頻度が高いしね。『パリ、テキサス』の方が雰囲気も良いような気がしないでもないが。

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